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夜間頻尿

夜間、排尿のために起きなければならない症状を夜間頻尿といいます。排尿に関わる症状のうち最も頻度の多いもので、加齢とともに頻度が高くなります。

原因:夜間多尿(尿量が多いこと)、膀胱容量の減少、睡眠障害に分けられます。

  1. 夜間多尿:1回の排尿量は正常です(150~200ml以上)。原因としては、糖尿病などの内分泌疾患、水分の摂り過ぎ、高血圧、うっ血性心不全(心臓の働きが弱った状態)、腎機能障害などの全身性疾患、睡眠時無呼吸症候群(睡眠時に呼吸が一時的に止まる病気で、いびきをかく人によくみられます)などがあります。

  2. 膀胱容量の減少:過活動膀胱や前立腺炎、膀胱炎など膀胱が過敏になるために起こります。過活動膀胱は尿が少量しか溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまう病気です。脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄(せきずい)の病気、前立腺肥大症、膀胱の老化現象などで起こります。

  3. 睡眠障害:眠りが浅くてすぐ目が覚めてしまうために、トイレに行く病態です。​

排尿記録のすすめ:以上のように、夜間頻尿の原因は様々です。診断にはご自身でつける排尿日誌が有用です。朝起きてから翌日の朝まで、排尿した時刻とメモリ付コップなどで測定した排尿量を日記のように記録するものです。1回の排尿量(膀胱に溜めることができる膀胱容量)と排尿回数を知ることで、おおよその原因を知ることができます。

治療

  1. 夜間多尿の場合は、基礎疾患の治療が重要です。水分を摂ると血液がサラサラになり、脳梗塞や心筋梗塞が予防できると信じて寝前や夜間にたくさんの水分をとる方がいますが、科学的根拠はありません。水分の摂りすぎで頻尿になっている場合は水分を控えましょう。

  2. 過活動膀胱では、膀胱の勝手な収縮を抑える薬剤(抗コリン薬、β3作動薬)を服用します。

  3. 睡眠障害による夜間頻尿には、睡眠薬の内服も有効ですが、よく眠れるような環境の整備や生活リズムの改善も重要です。​原因不明のこともあります。

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