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頻尿

 一般的に朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。但し、1日の排尿回数は飲水量や環境によって変化するので、8回以下の排尿回数でも多いと感じる場合には頻尿といえます。

原因:過活動膀胱、残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、多尿(尿量が多いこと)、尿路感染、腫瘍、心因性の6つに分類します。

  1.  過活動膀胱:膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮する病気です。急に尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)、トイレに何回も行くようになります。日本では800万人以上が罹患していると言われています。脳や脊髄の病気で排尿蓄尿の制御が出来なくなる、前立腺肥大症により膀胱が過敏になる、加齢による膀胱の老化のほか、原因が不明のことも少なくありません。尿が間に合わずにもれてしまうこともあります(切迫性尿失禁)。

  2.  残尿:排尿後に膀胱内に尿が残る状態をいいます。前立腺肥大症による排尿障害、糖尿病、腰部椎間板ヘルニア、子宮がん・直腸がん術後による膀胱の神経障害などで残尿が発生します。残尿により1回の排尿量は少なくなり、トイレの回数が増えます。

  3.  多尿:糖尿病などの内分泌疾患、水分の多量摂取、薬剤(利尿剤)による尿量増加が頻尿の原因となります。この場合には、1回の排尿量は正常(150~200ml以上)であるにも関わらず、何回もトイレに行くことになります。

  4.  尿路感染:膀胱炎や前立腺炎などでは膀胱の知覚神経が刺激されて頻尿になります。膀胱に慢性炎症を起こす間質性膀胱炎は長期間続く頻尿、膀胱充満時の下腹痛が特徴的です。

  5.  腫瘍:膀胱がんで頻尿がみられることがあります。

  6.  心因性:トイレのことが気になって何回もトイレに行ってしまう病態です。通常夜間の頻尿はないことが多く、また朝起床時の排尿量は正常です。

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