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腎臓病

 腎機能が低下すると血液中の老廃物が体内に蓄積します。浮腫(むくみ)、消化器症状(食欲低下、はきけなど)、神経症状(いらいら)などを引き起こします。

 腎臓病の代表的な疾患として、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、糖尿病性腎症など慢性腎臓病(CKD)のほか、数時間から数日で急に腎機能が低下する急性腎障害(AKI)があります。

 血液中のBUNやクレアチニン値、貧血(腎性貧血)、ミネラルの異常、腎臓の形、尿タンパクの量などで病態を診断します。CKDは病気の進行度に合わせた治療と管理が必要です。

 CKDの場合はゆっくり進行することが多く、主に食事療法や薬物療法をおこないます。進行すると自身の腎臓で十分に老廃物や余分な水分の除去することが出来ない末期腎不全となります。

 AKIは腎前性、腎性、腎後性に分類されます。腎前性の場合は補液(点滴治療)、腎性では原疾患の治療、腎後性では尿路狭窄や閉塞を解除する治療、いずれの病態においても全身管理を必要とし人工透析を併用することもあります。AKIは入院、集中治療が出来る施設で早急な治療を要します。

 腎臓病が進行すると、不可逆性の末期腎不全に至ります。原因として最も多いのは糖尿病性腎症、次いで慢性糸球体腎炎、三番目が高血圧などによる腎硬化症です。糖尿病性腎症と腎硬化症は毎年増え続け、この二つを合わせると年間約2万人の患者さんが透析治療を導入されています。他にも、腎臓に水のような液体がたまった袋状の腫瘤(嚢胞)が沢山ある場合、尿の流れの異常や尿路結石により腎盂炎を繰り返した場合も腎不全を来してしまいます。末期腎不全では放置すると生命の危機にさらされてしまいます。人工透析や腎移植が必要になります。

 わが国では末期腎不全の予備軍と考えられる慢性腎臓病患者が、1千万人以上いると推計されています。 

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